EVENT REPORT

2017年8月23日(水)東京開催

ソニープロフェッショナルセミナー 気鋭の映像ディレクターが語る「FS5とαシリーズを活用した音楽ドキュメンタリー映画製作」

熱気や臨場感あふれるライブなど、難易度の高い映像制作に欠かせないのが、プロフェッショナルな映像技術と、過酷な環境をものともしない撮影機材です。
今回のセミナーでは、音楽ドキュメンタリー映画制作に携わる木村和亮監督をお迎えし、XDCAMメモリーカムコーダーとデジタル一眼カメラαシリーズによる撮影術について、お話しいただきました。

暗い、狭い、熱い。過酷なライブハウスの中での撮影

インディーズで独自の進化を続け、いま最も注目を集めるロックバンド、MY FIRST STORY。彼らの5年間の軌跡を追ったのが、木村監督が監督兼カメラマンを務めた音楽ドキュメンタリー映画『MY FIRST STORY DOCUMENTARY FILM -全心-』です。
「暗くて狭くて熱気溢れるライブハウスの中で、臨場感あふれる美しいライブ映像を撮りたい。そう考えたときには、ソニーの撮影機材しか頭になかったです」と、語る木村監督。この作品のために木村監督が選んだのが、ソニーのXDCAMメモリーカムコーダーPXW-FS5、デジタル一眼カメラα7SⅡ、デジタルスチルカメラDSC-RX10Ⅲ、デジタルビデオカメラ アクションカムFDR-X3000の4機種です。
メンバーの躍動感や飛び散る汗、暗い楽屋裏での真剣な表情、会場にひしめくファンの熱気。当日流された映画の予告編、数々のシーンからも、その迫力が伝わります。

 

機種を変えても、映像の差がないことが大切

映画館ではHDでの上映でしたが、画質を保ったまま編集時に拡大できるよう、実際は4Kで撮影。
「カメラが寄るとメンバーが意識して、表情が不自然になることもあった。引きで撮って、メンバーの顔をアップにできるくらい鮮明な画を撮りたかったので、4K が必要でした。それと、5年後に10周年記念映画を撮る可能性も考慮しています」
ライブパートでは、ステージ全体を見渡せる位置に三脚を設置してPXW-FS5で撮影し、カメラマンはα7SⅡを抱えてステージや舞台裏を撮影。FDR-X3000は、天井に固定してリモコンで操作しながら、上から俯瞰で撮影。基本は監督とカメラマンの2人体制で撮影し、ときどきDSC-RX10Ⅲを使用したとのこと。
「4機種ごとに映像の差が出ないよう、ホワイトバランスには気をつけました。PXW-FS5とα7SⅡはS-Log2で撮影したのですが、ホワイトバランスさえあわせれば、色合いはそこまで変わらないし、グレーディングもしやすかったですね」

したたる汗、ベースやギターの弦の揺れまで鮮明に

撮影で最も活用したのがコンパクトなのにあらゆる映像表現に耐えうるXDCAMメモリーカムコーダーPXW-FS5です。
「高温多湿なライブ会場でもしっかり撮れる、衝撃に強いという安心感は大きいですね。標準レンズでも十分いけるのですが、『超解像ズーム』を合わせれば、1.5倍まで焦点距離を伸ばしても映像はきれいなまま。通常デジタルズームで撮ると画素が荒れるのですが、これは一切荒れなかったです。あと、『電子式可変NDフィルター』は、被写界深度を保ったまま、絞りを入れる感覚で光量が簡単に調整できました」
暗闇に強いα7SⅡは、真っ暗な楽屋裏でメンバーの集中した表情を撮るのに活躍し、2時間以上のライブでも条件によりバッテリーが十分に持ったそう。FDR-X3000は、手ぶれ補正が大活躍。DSC-RX10Ⅲは、ライブの一体感を表現するのに欠かせなかったと、木村監督は語ります。
「DSC-RX10Ⅲのスーパースローモーションで撮ると、メンバーのしたたる汗、ベースやギターの弦の揺れがはっきりと映るんです。観客の中に入っての撮影だったので、周りに押されるし、熱気もすごかったんですが、いい画が撮れました」

S-Logなら、撮影時から映像の仕上がりを想定できる

木村監督の一番のこだわりは、映像全体のカラートーン。
「彼らの5年間は決して平坦ではなく、苦しいことも多かった。だからこそ、それを重いトーンで表現したかったんです」
方向性を定めてから撮影を進めたほうが、良いドキュメンタリー作品ができることを今回実感したと語ります。S-Logなら、撮影時から映像の仕上がりを想定できるし、編集時にグレーディングによる色みの調整もしやすかったとのこと。
「とはいっても、ドキュメンタリーは脚本通りにはいかないし、彼らは予想がつかないバンド。僕も彼らに嫌われるのを覚悟で、心の全てを掴むような気持ちで撮影をした。だからこそ、どんな環境にも挑める機材が欠かせない」と、締めくくりました。
セミナーの後は、撮影に使用した機材に触れられるハンズオンタイムへ。セミナーに参加したお客様からは、機材への詳細な質問が寄せられるなど、大盛況のうちにセミナーは終了しました。

GUEST SPEAKER

  • 木村 和亮 様
  • KAZUAKI KIMURA

・映像作家・監督・映像ディレクター

国内、海外で活躍する多くのアーティストに携わり、映像作品をリリースし、今日に至る。海外のアーティストとも親交が深く、ライブ、ドキュメント、MV等、ジャンルを問わない幅広い活動を続けている。

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