「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」と伊勢音頭で唄われている愛知県・名古屋。徳川御三家・尾張藩の地元であり、熱田神宮を始めとした寺社仏閣が数多くある街には、様々な歴史が21世紀の今にも、存在している。
その1つに「名古屋黒紋付染」がある。
慶長15年(1610年)、尾張藩士小坂井家が、藩内の旗、幟(のぼり)などの製造にあたったことが始まりといわれている名古屋黒紋付染。江戸から伝わる職人の技を受け継ぐ現在の匠である飯田勝弘さんや、武田和也さんは「全く一緒のものが続いていくの(が伝統)ではない」と語る。
その時代に合った技法を取り入れ、受け継いできた名古屋黒紋付染。現代を生きる職人の手から、未来に生きる職人へと、その手法がバトンタッチされていくことであろう。