本州最北端の県、青森。その西部を津軽地方と呼ぶ。
江戸時代、その津軽地方の中心地であったのが弘前城を構えていた弘前藩。
江戸時代の藩主は津軽家で、津軽塗は、その殿様に献上するために作られたところから、歴史が始まる。
堅牢で実用性を持ちながらも、優美な佇まいを魅せる津軽塗は「研ぎ出し変わり塗り」という技法により生み出される。
何層にも塗り重ねられた漆を研ぎ出して、模様を表す技法。
小林さんは「こんなに面白い技法は他にはない」と語る。
江戸の昔から受け継がれてきた技法を、小林さんは父親より受け継いだ。
営業をしなくても仕事が来るような時代ではない。
自分で情報を発信し、自分で商品を売る。
父親より受け継いだ伝統を小林さんは、守りながら未来に向かって進んでいく。