東京都の東に位置する千葉県。そのほとんどは「房総半島」に含まれている。
房総半島は、三方を海に囲まれサーフィンスポットも多く存在する一方、戦国時代に創られ日本酪農発祥の地とも呼ばれる「嶺岡牧場」、
明治期にはじめて「御料牧場」が開設された地三里塚などを有する大酪農地帯でもある。
その開拓、発展と共に育ってきたのが、2017年に経済産業大臣指定品目としても認定された「千葉工匠具」だ。「工匠具」とは、鎌、鍬、包丁などの仕事道具・日用品を指す。
その中でも、伝統的な技法で工匠具を作り続けるのが高梨さんだ。
「伝統は技術だ」と語る高梨さんは、親方から受け取った鍛冶屋哲学を胸に生きる。
「技術というものは、人が作っているものをよく見て、盗むことだ。技術が上がってくるほど、人の高い技術が見れるようになる。自分の技術がない人は、人の技術が見えてこない。それが分からない人が多いんだ。世の中に。」