日本海に向かって北東方面に突き出る能登半島。その中央部に、七尾城という山城があった。
特徴は、山のふもとから山頂まで、山全体を使っていること。
七尾の由来は城がある山の「七つの尾根」だったとされるが、そこから「自然と生きる」七尾の人びとの生き方が感じられる。
その心で育まれた伝統工芸品が「七尾和ろうそく」。
洋ローソクとは違う、和ろうそくの特徴を高澤さんはこう語る。
ひとつめは「植物由来の原料を主に使っている」こと。限りがあるものを材料にせず、四季の中で植物が成長するエネルギーを分けてもらっている。
ふたつめの特徴は「芯の作り方、構造が違う」こと。これは、長い年月の間にその時その時の人たちが考えて、より明るくて大きい炎を生み出す気持ちの表れだという。
自然を尊びながら、変化する人々の生き方に寄り添う工芸品を作る。
そんな高澤さんの想いが、今日も七尾和ろうそくの灯を繋いでゆく。