中山道随一の難所といわれた「鳥居峠」の南に位置する薮原宿。
この地で江戸時代より作り続けられているのがお六櫛だ。
御嶽山で採れるミネバリの木を材料とするお六櫛。
わずか手のひら程度の幅に、約百本の歯が挽かれた小さな櫛は、現在でも歯挽き鋸を使い、
手作業で作り上げられていく。
宿場町に泊まった旅人が購入し、日本中に広めた逸品。
その江戸時代からの伝統を受け継ぐ篠原さんは
「300年経った木で作る櫛は300年使えるようにしよう」と語る。