沖縄県に漆器がある。
南の島と漆器はなかなか連想しにくいが、漆器づくりには温度と湿度が必要であり、日本屈指の平均気温と湿度がある沖縄こそ、漆器制作に適した土地なのである。
その始まりは琉球王朝時代にまで遡るという。
中国と日本と交易を行いながら、歴史を重ねた琉球漆器、そのためか、時代時代で求められるものを敏感に察知し、作るものを変え、21世紀まで伝統を受け渡してきたという事実もある。
「沖縄に琉球漆器がずっとあり続けることが、これからの夢なんですよね」と語るのは、角萬漆器の嘉手納豪さん。嘉手納豪さんの元では次世代の琉球漆器職人を目指した若者が、日々腕を磨いている。