近江八幡市は滋賀県の中央部、琵琶湖東岸に位置する。豊臣秀次が八幡城を築き、その城下町として栄えた街。近江商人の発祥の地でもあるとも言われている。
そんな近江八幡にあって、豊臣秀次よりも古い歴史をもっているものが存在している。
それが、木珠だ。
歴史は飛鳥時代にまで遡る。聖徳太子が近江に48ヵ寺を建立し、最後に願成就寺を建立した際、数珠を作る技術がこの地にもたらされたと言われている。
飛鳥の昔から受け継ぐこの伝統を「時代とともに生活の中に密着した道具として残っていくこと」と語る川崎さん。多くの職人の手を通し、1400年の歳月をかけて受け継がれてきた伝統は、川崎さんの手から未来の職人に、また、受け渡されていくことだろう。