「ジャパンブルー」。明治初期に来日したイギリス人が、藍染された衣類を見て残した言葉。
日本の藍はインド産のインド藍、ヨーロッパ産のウォード等と並ぶ天然の藍染料。この藍の一大産地が徳島県。鎌倉時代中頃から始まった阿波藍(徳島県産の藍のこと)の歴史は21世紀の今にも受け継がれている。
本藍染を作る職人は「藍の動きに人が合わせていく」と語り、今日も自身の手までを藍色に染めていく。
伝統を守り続ける職人は、合理化を求める現代とは大きく異るスタイルで仕事を進めていく。
一度の人生、時代の流れに惑わされず、自分自身の損得勘定の元、良い仕事をしたいのであれば、ある程度の犠牲と覚悟は必要であり、それを乗り越えられる人が職人と呼ばれる人になるのではないのだろうか。
本藍染にはそんな職人の誇りまでもが染め上げられている。