印章。その歴史自体は遠く6000年前まで遡ると言われている。中国より日本に伝わったのは飛鳥時代よりも前の話。「漢委奴国王」の金印に関しては、多くの人が学校の授業で学んだことであろう。
そんな歴史の流れをくむのが、甲州手彫印章である。良質で巨大な水晶鉱が発見・発掘された山梨の地で、甲州手彫印章は生まれ、そして育った。
最盛期には日本で販売される判子の半分以上が、この地で生産されたという。今でも地場産業として印章作りが根付いているということで、判子としては唯一、伝統的工芸品と認定されている。
「うまくなりたい。いいものを作りたい。」江戸時代からの技を受け継ぐ望月さんは「やり続けることが一番大事」とも語る。